パットが上手くなる考え方
誰が言ったか”putt is money ”
あまりにも有名な格言ですが、私はゴルフ初心者の頃から2〜3年は全く無視していました。
ドライバーの飛距離とアイアンの精度がつけば、どうにかなると思ってましたから・・・
まぁ、確かに90前後のスコアまでは何とかなりました。
しかし、2〜3パット、時には4パットもありましたから、それ以上のスコアを目指そうとするとダメなんですね。
250ヤード飛ばしたドライバーも1打、10cmにも満たないパットも1打なんだということが身に染みて分かりました。
プロゴルファーが一番練習時間を割いているのがパット練習だという所以ですね。
このことは100切り、90切りの月1ゴルファーでも例外ではありません。1ラウンドに3パットを4〜6つも打つようではモチベーションが続きませんでしょう。
とっても奥が深いパット術ですが、少し練習すれば直ぐに結果が表れるのもパットです。
ここではパッティングに入る前からカップインまでの考え方を中心に技術も合わせて学ます。
詳細な技術は書籍やDVDなどでも販売されていますので、ここでは割愛します。
それでは、月1ゴルファーにとっては「やっとグリーンに乗った!」とホットしている状態から始めましょう。
パットマネジメント
やっとグリーンON!
さぁ〜、今までにミスしたことは忘れてパットに集中です・・・。 と言いたいところですがグリーンへ上がる前にやることがあります。
それは、今からやろうとしているパットを1打悪くても2打で済むようにするための情報収集です。
スコア100前後のゴルファーですと同伴ゴルファーにプレイスピードで迷惑かけられないと思い急いでグリーンに上がって来ていることと思います。
その気持ちは大事ですが、次回からはグリーンに上がる前に5秒だけグリーンの傾斜を観察してください。
パットはすでに始まっているのですから。
グリーンに2〜3打でオンするようになると心に余裕が出てくるようになります。そうなればグリーンに近づくときにグリーンの何処が一番高い所か、一番低い所なのかを観察しながグリーンに上がることができます。
大抵はグリーンが少し高くなっていますので、グリーンに上がる前は低い方から高い方を見ることになります。すると、グリーンのどこが一番高くて、どこが一番低くなっているかが良く分かります。
(グリーン近くから、しゃがむなど目線を低くして見るとより分かりやすくなりますよ)
もちろん、4打以上で息が切れそうであっても観察をする必要はありますが・・・。
その後、グリーンに上がり、ピッチマークを直し、ボールをピックアップしたら傾斜の再確認をします。
グリーン傾斜を読むときに騙されやすいのがピンの傾きです。
ピンは平面に対して垂直に立っていると思いがちですが必ずしもそうではありません。ピンの傾きから傾斜を読むと「全然違った!」なんてことありますから要注意です。
そしてスタートする前に考えて欲しいのが、私が実践して効果があった、出だしの3ホールはジャストタッチでパットをするです。
そして返しのパットが上りになるようにファーストパットをすることです。
15cm以上のオーバーは厳禁。たとえショートしても2パットならOK!
最初から『とどかなければカップインしない!』と、ガンガン攻めて3〜4パットの山を築いてしまうとと立ち直れません。
スタート前のパッテイング練習場で練習をしても実際のグリーンで自分なりの距離感を掴むまでは慎重になる必要があります。
情報力はパットも制す
パットが上手い人は情報収力がある人です
どんな情報を集めているか、一般的なことをご紹介しましょう。
覚えることがそんなにあるのかと驚く人もいるかと思いますが心配ご無用です。あなたも慣れば瞬時に分かるようになります。
スタート前
グリーンはベント芝か高麗芝かを確認する。
ベント芝は芝目がきつくないのでボールの転がりは傾斜の影響が強く出ます。
高麗芝は芝目がきつくボールの転がる勢いがなくなると傾斜よりも芝目の影響を受けやすい。中には傾斜と逆の方向に転がることもあるので要注意です。
練習グリーンでボールの転がる速さを確認する
速さは午前と午後でも変わってくるし、各ホールのグリーン位置が良く日に当たる所と日陰の時が長い所では転がる速さが違います。
ティショット及びセカンドショット後
アプローチショットを打ったらグリーンを囲んでいるロケーションを確認する。
グリーンの芝は水の流れる方向に伸びるので下りは順目となり下り傾斜と相まってボールの転がりが早くなる。グリーン近くに山があれば山から低い方向に順目になります。
アプローチ、セカンドショット後
グリーン面の形状が分かる距離になりますので、グリーンの一番高い所と低い所、そして自分のボールとの位置関係を確認します。
グリーンへ上がる前にグリーンサイドから低い目線で見ると良く分かります。
グリーン上の常識
●バンカー近くは砂がグリーン上に飛ばされていることがあり転がりが遅くなります。
また、スプリンクラー近くの芝は水を多く吸い込んでいますので転がりが遅くなります。
●次のホールへ行く出口付近の芝はゴルファーに踏まれ続けていますので次ホールに向かって順目で下が硬くなり転がりが速くなります。
●カップ位置によっては花道からも芝がゴルファーに踏まれ続けていますので順目で下が硬くなり転がりが速くなります。
●グリーン中心付近はカップが切られることが多いためにがゴルファーによって踏み硬められて速くなります。
●冬場に多く見られることですがカップを中心とした約30cmの芝がゴルファーによって踏まれないために勢いのないボールだと芝で方向が変えられる場合があります。
逆に約30cm外側は踏まれた足跡で軽い段差ができボールの向きを変えられることもあります。
パットのルーティンとライン出し
パティングラインを読む
これに的確なアドバイスをすることは難しいですね。
どの位曲がるかの予測は、傾斜、芝目、芝質、季節要因、風、午前午後、天候など考慮しなければならないことが多過ぎて単純に「こうです」と言えるものではないからです
ただ、読みの手順はあります。
ボールの後方よりカップを見る。
ボールからカップへ傾斜の低い方から歩きながら傾斜の度合いを見る。
カップからボールを見る。
それぞれの見立てが違ったら傾斜の下側から見た読みを採用する。
色んな参考文献がありますが経験から言えばボールとカップを結んだ線で上りのラインで読んだものを信じるようにしています。
パッティングラインの出し方
パットが、どうにも下手だと思えるゴルファーはパティングラインに対して平行にバックスイングしていません。本人はしているつもりにようですが・・・。
もし、「そうかな〜」と思っているならフローリングの板目、襖や障子のミゾまたは紐や糸を張って、それに対して平行にバックスイングができるか試して見たらいかがでしょう。
私はパットに関して上手とは思っていませんが経験から言えば、もっと下手な時は腕の力でバックスイングを起動していました。しかし、この方法では、腕や手の筋肉を始動起点にするとバックスイングの方向が安定しないんですね。
現在は、左肩を始動起点にしています。この考え方はウッドやアイアンでも共通です。メリットとしては体全体を使えることでスイングのブレを防ぐことができますのでおすすめです。
スイングイメージとしては左肩を中心に縦振りのストロークです。決して横振りではありませんよ。
レッスン書で一番多いのが”背骨を中心に両肩の三角形を崩さずにストローク”するというものですが、これも小手先を使わずにコントロールする点では同一の考え方です。
"Never in Never up"これもまた有名な格言ですね
「届かなければカップインすることはない」ということですが、この言葉を、勝手に解釈して強気にパットしていたのが、〇〇年前の私です。結果、3パットの嵐でしたね。
おすすめは、やっとこさカップに届くようなヨレヨレパットです。
何故なら強くパットするとカップインできるのは正面のカップ幅だけですが、ヨレヨレパットだとカップの左右の横面からもカップインすることもあるからです。特に傾斜がある場合には有効な方法です。
ただし、ヨレヨレパットはノーカンパットの何倍も集中力が必要です。普段の練習が無いと難しいですぞ!
スコアアップを最短で目指すならばパットのスキルを上げるのが手っ取り早い方法です。
ショット数がお金に直結するプロゴルファーが最も練習し頭を痛めているのがパットであることがその証しです。
パッテイングラインの読み方
パッティングラインを読むには雨、強風などの条件を覗けば次に記述する、たった3つのことを読み切ればパットの天才になれます。
試合になればスティンプメーターで計測しますがアマチュアゴルファーが仲間とラウンドするときにクラブハウスに表示されていることは少ないかもしれません。
文字通りグリーン全体の傾斜に加えてグリーンの中に造られたマウンドによる傾斜です。
芝目は芝の種類、季節、時間帯、水はけ、ゴルファーの足跡などの条件で決まります。
これに自分のパッティングスキルと体調が加味されてパット数が決定します。プロゴルファーが長時間を掛けて練習しなければならない理由が分かりますね。
でも基本的な知識を知っているだけで100切り、90切りゴルファーでも30〜36パットで上がることは難しくありません。
では、さっそく基本を学びましょう。
まずはグリーンの速さについて
アマチュアゴルファーがグリーンの速さを客観的に数値をスティンプメーター出しても実際のコースでは役に立ちません。なぜならグリーンの速さはフィーリングだからです。と言うことは他人と自分では速さに対する感じ方が微妙に違います。
スタート前の練習グリーンで平らな所でパットして確かめましょう。後はラウンドしながらフィーリングを修正して行くほかありません。
次にグリーンの傾斜と芝目を合わせた切れる・切れにくいラインの読み方
【切れるラインの要素】
下り、順目、横目、高麗芝、短い芝、午前中
【切れないラインの要素】
上り、逆目、ベント芝、長い芝、午後
特に高麗芝には要注意です。ベント芝に比べて目がきつくて傾斜よりもボールに与える影響が強い場合があります。高麗芝の目の特徴は、水が流れる方向に順目になるのでグリーンの高い所から低い所に対して順目になります。
同様に川や池に、山から谷に向かっても順目です。加えて、次のホールに向かう方向は人が踏みしめるので順目になります。分かり易い処はグリーンを見渡して白く光って見えれば順目、黒く濃く見えれば逆目です。
以上を踏まえてパッティングラインを読みます。
ベント芝の場合は基本的には傾斜と上り・下り、そして速さのタッチでラインを読みます。
高麗芝の場合には傾斜に芝目を加えて上り・下り、そして速さのタッチでラインを読みます。
フックラインで芝目が右から左方向ならばフックが強くなりますので曲がりを大きく見る必要があります。
逆に芝目が左から右ならば傾斜と芝目がケンカしてフックが弱くなりますので曲がりを少なく見なければなりません。
スライスラインはフックラインの逆ですが同様な見方をすればOKです。
曲がりを読むときの原則は薄目に読む
そうすれば外した時でも返しのパットは上りになりますので3パットのリスクが少なくなります。
アベレージが80台になれば距離感もジャストタッチで打てるようになりますので深めの読み(プロライン)になりますが100切り切りレベルでは考えなくても良いでしょう。
パットの距離感
パットは、よれよれパットが理想!
強気のパットを時としてノーカンパットとも言います。
この現象が起きるのは普段からパットの練習を全くせずにいきなり本番のコースに臨む初心者や100切りゴルファー達に多く起こります。3パット、時には4パットになる大きな原因になるものです。
それとは逆にパットの名手はほぼカップ丁度に打てますから傾斜があるとカップの正面だけではなく真横からでもカップインします。
これはパットの距離感が合っていることでできることです。外れてもOKパットの距離が残りますから3パットになることはありません。
それでは、どうすれば距離感が出せるようになるのでしょうか。
教材や雑誌などではパットの振り幅で調整すると記述していることが多いです。もちろん正しいのですが、これだけでは表現としては不足だと思います。
例を言えば右足内側から左足内側、右足つま先から左足つま先までスイングした時にどれだけボールが転がるかを知り、それを基準としてパットすれば大ケガにはなりません。
100切り、90切りゴルフならこれで対応できると思います。
ただグリーンはコース、各ホール、芝の種類、午前午後、季節によって違いますし、これに傾斜が加わってきますのでフリ幅の調整は常に必要です。
さらにスコアアップを目指すなら距離感の調整は基準の振り幅だけではできません。
そこにタッチといわれる感性が必要になってきます。
プロゴルファーでもパットが上手い人とそうでもない人がいるのはそれが原因です。
感性は天性の部分と練習で磨かれる部分があります。
持って生まれた天性の部分は考えてもしょうがありませんが練習で磨くことができる部分を頑張ればシングルゴルファーになるぐらいは問題ありません。